

区立保育園の園長をしています。このたび園の子育て支援センターにベビマ教室を導入するため、まずは自ら受講して教室を始めようと考えました。
調べてみると、ベビーマッサージといっても、たくさんあることがわかりました。そのなかで、もっとも共感できて、当園と同じ考え方だと感じた日本アタッチメント育児協会で受講することに決めました。アタッチメントを主軸に置いているところも共感しました。
わたしは、保育士歴も30年を超えている自負があったので、正直に言うと、「知っていることだろうから、資格を取るために、復習のつもりで受けよう」くらいに思っていました。でも、いざ受講すると、まったく違い、新しい発見の連続でした。わかっていたつもりで、わかっていなかったことも、たくさんありました。
意識の高い若手の保育士さんや、わたしと同じ管理職の看護師さん、起業しようとしているお母さんなど、いろんな方とともに学べた環境も大きかったと思います。予想を大きく裏切る充実した2日間を過ごし、この年になってもまだまだスキルアップできることに、うれしくなりました。
それと同時、“これまでの自分の子育て” を振り返るきっかけとなったことも、個人的な収穫でした。中学生になる娘がいるのですが、最近少し娘との距離を感じるようになっています。あまり話をしてくれず、むしろ「干渉してこないで」という感じです。思春期に入ったからということもあるのだろうと思っていました。
今回、講座でアタッチメントについて学んだ時に、「自分は、娘に対してどうだったのだろうか?」と考えました。これは、保育士あるあるだと思うのですが、園児とそのお母さんのことは、客観的にみられますし、親御さんにアドバイスしたりもします。「さすが保育士さんは、子育てのプロだね」などと言われたこともあります。でも、自分の子育てとなると、実はまったく思いどおりにはいかず、悩みながら、不安をかかえながらの毎日でした。
自分の子育ては、アタッチメント的には、決してうまくやってきたとは言えないことに、あらためて気づかされました。それでも救いとなったのは、講師の先生が言っていたこの2つの言葉です。
「完璧な子育てをする親など、この世には一人も存在しません。誰しも間違いながら子育てをします。」
「アタッチメント行動は、年齢によって変わります。子どもが成長するにつれて、手を出さず、さらに口を出さず、最後は見守るだけになります。」
この言葉を聞いて、「完璧じゃなかったけど、これでよかったんだ!」と思えました。
これを機に、自分の中の学びスイッチが入り、そのまま続けて育児セラピスト1級を申し込みました。講座内容は、これまでの保育の現場での経験が、言語化され、理論化され、体系化されるものでした。
たとえば、わたしたち保育士が、保育所保育指針のなかで親しんできた「社会情動的スキル」を「非認知スキル」という文脈で、教育経済学という視点から学ぶと、その本当の意味がはじめて理解できました。これまでは、言葉だけが浮いていただけだったことを実感しました。
また、対人援助やコミュニケーションについて学べたおかげで、今後の保育士への指導や教育にも道筋を立てることができました。10年目研修や管理職研修では、こういうことを学ぶ機会を与えることが、今後必要だと痛感させられました。
また、アダルトアタッチメントでは、まさにわたしの関心事だった思春期のアタッチメントや大人のアタッチメントを学ぶことができたので、「自らの子育てを振り返る」という私の密かなテーマについても、大収穫を得ることができました。
これから定年した後のことを考えると、ちょうど私が受講した時の講師の先生方のように、アタッチメントを伝えることを、退職後の人生のライフワークにしていきたい思いが強まりました。今後、他の講座も順番に受講して、アタッチメントを深めながら、最終的にトレーナー講座を受講して、認定講師を目指したいという目標ができました。
取得済みの資格
これからチャレンジする資格
20代
20代
保育士(25歳)保育士養成大学卒業後、保育士になって3年の独身
30代
30代
看護師(35歳)新人の指導をおこなう中堅ナース、3歳娘の母
40代
40代
パート保育士(43歳)第一子の出産を機に退職し専業主婦だったが、娘が中学に入ったときにパートとして保育士に復帰
50代
50代
保育園管理職(53歳)
園長になって、園を引っ張っていこうと張り切るかたわらで、退職後のライフワークも模索しています
60代
60代
主婦(65歳)子育ても終え、孫も生まれ、夫も退職し、人生の第2ステージをどう生きるか模索中、地域の子どもとお母さんに関わることをしたい
70代
70代
乳児院施設長(71歳)58歳のときに、協会の講師になって、いまも現役
Basic course
Skill up course