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2019年育児セラピスト全国大会
シークレット・パネルディスカッションより

Q. 質問

『幼児教室をやっているのですが、最近は、生徒さんに発達障害児のお子さんもいます。これまでの話を聴くと、愛着障害のケースも多いとのことですが、発達障害なのか、愛着障害なのか、われわれとしては、それをどう判断していったらよいのでしょうか。また、その子たちにどのように対応していけばよいのでしょうか?』

この質問には、「医療判断」の立場から、寺下先生に話をお聞きしました。

A. 回答

まず、発達障害なのか、愛着障害なのか、医者としてはっきりしたことは言えないのが現状です。これは、ガンなどの病気も同じです。医者によって、診断も治療方針も分かれることはありあますし、何が正しいとは言えないのが医療です。10年後には、こっちが正しかった、などということもあります。例えば、認知症というのは、どこからが認知症で、どこまでが、単なる加齢による認知の低下なのか、明確な線引きはありません。それと同じです。どこからが発達障害だとは言えない。例えば、医者仲間で、自分たちの多動傾向の特徴を、『おれたち発達障害だな』なんて、良い意味で表現することもあります。つまり、あまり、診断名や言葉に惑わされる必要はないのです。目の前の子を見てあげればそれで良いと思います。そこで一つ提案なのですが、『障害』の部分を『特性』と言い換えるようにしてみたらどうでしょう。『発達障害』ではなく『発達特性』、『愛着障害』の代わりに『愛着特性』と。そうすれば、その子の特性として、目の前の子どもを見てあげやすいのではないでしょうか。