Column

保育士さんがベビーマッサージ資格を取得して活動する実例をご紹介

  1. ホーム
  2. コラム
  3. 保育士さんがベビーマッサージ資格を取得して活動する実例をご紹介

地域子育て支援センターや親子広場を併設する保育園や認定こども園が増えています。その背景には、政府による地域子育て支援の強化の方針があり、近年はとくに、0歳児の親子への支援を重視しています。

0歳の子育て支援と言っても、何をすればよいのか?

では実際に、0歳児の赤ちゃんとその親に対して、園はどのような子育て支援を行えばよいのでしょうか?その最適解は、「ベビーマッサージ教室」です。その理由を挙げたら、キリがないほどたくさんありますので、いくつかご紹介したいと思います。

ベビーマッサージは、お母さんたちへの認知度も高く、これから出産をひかえたお母さんたちにとって、「赤ちゃんが産まれたら最初にやってみたいことNo.1」にあがる人気があります。つまり、ベビーマッサージ教室に通うことに関するお母さんたちのモチベーションが、出産直後からすでに高いのです。さらにベビーマッサージは、新生児期の赤ちゃんから取り組める「親子の営み」です。これは、3か月未満の赤ちゃんに対する子育て支援を強化したい政府の意向にもぴったり合うのです。

それだけでなく、ベビーマッサージ教室は、産褥期のお母さんにとって、非常に有益であることも大きな理由です。赤ちゃんとベビーマッサージに取り組むことで、お母さんの体でオキシトシンというホルモンが分泌されて、精神面が安定することがわかっています。これは、産後うつの軽減にもつながります。

“保育士によるベビーマッサージ”だからこその強みがある

「保育園や認定こども園がおこなうベビーマッサージ教室」だからこその強みもあります。保育士がベビーマッサージ資格を取得して、ベビーマッサージ教室を開くことで、お母さんたちに発達や子育ての知識を伝えることができます。

それだけでなく、保育士でもあるベビーマッサージ・インストラクターは、お母さんたちからの子育てのお悩み相談にこたえることができます。実際に、当協会のベビーマッサージ・インストラクターの多くは、ベビーマッサージ教室のあとに、お悩み相談の時間を設けており、それが教室の満足度を上げています。長く通っているお母さんほど、このお悩み相談の時間が目的で通ってくる傾向があります。

ちなみに、当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ資格」には、「育児セラピスト2級」のカリキュラムが必須科目として入っています。それは、お母さんたちに発達と育児の知識を伝え、悩み相談に答えるだけの“知識の裏付け”を身につけてもらうことが目的です。

このように「ベビーマッサージ教室+お悩み相談」という形でベビーマッサージ教室をやっていると、参加者同士も一体感が強まり、インストラクターを中心としたコミュニティができてゆきます。そうなると、赤ちゃんの就園の折には、ベビーマッサージ教室に通っていた園を選ぶため、長い目で見ると園児募集にもつながります。当協会でも、人口減少で長らく定員を割っていたある地方の保育園が、子育て支援センターを開設してベビーマッサージ教室を導入して、年々園児数が増え、入園待ちがでるほどになった事例が、いくつもあります。

保育士によるベビーマッサージ教室の実例

ここで実際に、保育園の子育て支援として、アタッチメント・ベビーマッサージを導入した園の事例をご紹介します。

東京都でご自身が園長をされている保育園の子育て支援の一環として、ベビーマッサージ教室をされている宮本園望さんの事例です。

「自分が出来ることは何だろう・・・」から始めた、園見学から繋がる支援

宮本園望さん(東京都)保育士(園長)

保護者からの要望を受け、ベビーマッサージを開催

現職場(保育園)では、入園前の保育園探しで見学希望の方が多く、いただく声の中には悩まれていることも多々あります。

そんな中、「私に何かできることは何だろう…」、「ほっ」と出来る時間が少しでもあったらいいな、という思いから「アポロ会」というワークショップと園見学、茶話会や相談会を盛り込んだ子育て支援事業を月に1・2回開催しています。

その中のワークショップでは、ベビーマッサージの回もあります。需要が多く、園の育児中保護者様から「園見学じゃないけど、ベビーマッサージを受けてみたい!」とリクエストもあり、園の保護者様向けにベビーマッサージを開催したこともあります。

「子育て支援機能」としてのベビーマッサージ教室の実現

このように、保育園や認定こども園でおこなう、保育士によるベビーマッサージ教室は、単にベビーマッサージのやり方を教える教室というだけの存在ではありません。

それは、ベビーマッサージという親子の営みを通して、インストラクターのもとに親子が集い、コミュニティが形成され、お母さんが、子育ての不安を解消したり、おしゃべりして楽しんだり、教えてもらって安心したりできる「地域の子育て支援機能」そのものであると、わたしたちは考えます。

日本アタッチメント育児協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター」は、そのようなベビーマッサージ教室を実現するための資格です。当協会のインストラクターの8割以上が、保育士・看護師・助産師が占めるのも、このような理由からです。

Index

目次