地域の親子に「温度のある言葉」を。ベビーマッサージから始まった5年間の歩み
コロナ禍の子育てから生まれた、親子がつながる場所づくり
長崎県大村市を拠点に活動する松元美沙さんは、アタッチメント・ベビーマッサージと育児セラピスト前期課程(2級)の資格を活かし、ベビーマッサージ教室や子育てについての講話を行っています。
活動の原点は、5年前のコロナ禍での出産・育児にあります。地域の子育て講座でベビーマッサージを体験し、もっと深く学びたいと資格を取得。その後、母親たちが直接つながり、気軽に話せる場所をつくりたいという思いから、活動を始めました。
親子の安心できる心のつながりを育むアタッチメントの学びは、松元さんにとって活動の原点であり、現在も学びを続けています。母親として、そして子育てを支える立場として、目の前の親子と関わり続けてきた5年間。活動の幅が広がり、形が変わっても、伝えたいテーマは「あなたが大切」。その思いは、始めた頃から変わりません。
ありのままを受け止め、安心して話せる時間を
松元さんの講話には、「気持ちをわかってもらえたような気がした」「いつもに増して我が子が愛おしいと思えた」といった感想が寄せられています。話を聴きながら涙を流す参加者もいるといいます。
大切にしているのは、子どもを一方的に評価せず、ありのままの姿を見つめること。保育士や地域の子育て支援に関わる方々からも、赤ちゃんの育ちについての知識や視点が豊かで、まなざしが優しいという声をいただいているそうです。
また、女性向けのコーチング(対話を通じて考えや行動を整理する支援)や心理学も学んできました。母親たちの話に耳を傾け、今の状況を受け止めながら、それぞれに合った「今できる小さな行動」を提案することにも、その学びが活かされています。
地域の赤ちゃん食堂ではスタッフとして活動し、食事前の交流の時間を担当しています。初対面の親子が多い中で、緊張をほぐし、会話のきっかけをつくる役割です。ベビーマッサージを通じて重ねてきた居場所づくりの経験が、こうした地域での関わりにもつながっています。
園や企業、図書館へ。地域と親子をつなぐ活動の広がり
現在は、こども園や子育て支援センターでの講話、保育者向けの園内研修、子育て支援センターや企業からの依頼によるベビーマッサージなど、外部に出向く機会も増えています。こども園の先生から専門学校の先生を紹介していただくなど、地域でのつながりが新たな活動へと広がっています。
2026年2月には、子育てのエッセイを出版しました。これをきっかけに、県立図書館からも子育て支援の企画への依頼が寄せられました。
ご報告時点では、2026年9月に長崎の専門学校で、保育士を目指す学生に向けた2時間の講義を担当する予定がありました。また、同年10月と冬には、県立図書館から、読み聞かせの後に30分程度のふれあい遊びなどを取り入れ、母親たちの心がほっとする時間をつくってほしいという依頼も受けていました。
企業との取り組みでは、ハウスメーカーの依頼を受け、モデルハウスでベビーマッサージを実施しました。終了後のティータイムには、社長や担当者が赤ちゃんを抱っこしたり、一緒に遊んだりする姿も見られました。「こんなに赤ちゃんに癒されたのは久しぶりだった」「想像していた以上に良いイベントになった」という声が寄せられ、10月の再依頼にもつながりました。
こうした経験から、松元さんは、地域で活動する講師が親子と地域をつなぐ役割を担えるのではないかと感じています。活動の場が広がる中でも、母親や赤ちゃんと直接関わる時間を大切にし、目の前の親子との関わりから生まれる「温度のある言葉」を届け続けたいと考えています。
「あなたが大切」という変わらない思いを胸に、親子が安心して過ごし、子育てに取り組める環境づくりへ。これからも、自分にできることを考え、学びと試行錯誤を重ねながら、地域に根ざした活動を続けていきたいと考えています。


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