Interview
超低出生体重児へのベビーマッサージ実践報告
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「超低出生体重児へのベビーマッサージ実践」
重度のハイリスク児童の事例/5歳児・体重10㎏
出産時超低体重(660g)、視力がない可能性、4カ月児くらいの発達、首がすわりきらず、寝返りをしはじめたくらい、頻繁な痙攣発症による救急搬送入退院を繰り返す状態。
この子が入園した当初、寺井さんは、「保育をとおして何かしてあげられることはないか」と考え、「少しでも発達のプラスになれば」という思いでベビーマッサージを取り入れました。始めた当初は、探り探りの毎日でした。
1クール20分、1日2回のベビーマッサージ
- ・頭から肩腕手のひら。顔、おでこ、耳、鼻、ほっぺた。体側 お腹 脚 背中と順に行う
- ・いつも同じ歌に合わせて行う
これにより、本人の予測による応答が生じやすい効果があるようです。また、同じ歌に合わせることで、こちらの時間管理にもなります。
その他行っていること
朝日を浴びる目的で外出50分/1時間に1回の水分補給/手を支えて起き上がる腹筋運動20回
アタッチメント・ベビーマッサージをとおして感じられる毎日の変化
- ・家庭でもぐっすり寝てきもちよい目覚めが見られるようになった
- ・体調が安定し、笑顔が増え、動きも増えた
- ・その後、視線に力が出てくるようになり、顔をしかめるはっきりした拒否の表現が発生した
- ・療育の指導を受けているが、担当の作業療法士(OT)からも、『足裏の過緊張が緩み、柔らかくなっている。毎日のマッサージの結果ですね。』と指摘をもらうようになった
- ・1カ月経過:(寺井さんに対して)いなくなると泣き出すアタッチメント行動を示すようになる(これまでは、そうした反応は見られなかった)」
- ・4カ月経過:これまではあまり見られなかった自力排便、ものに手を伸ばす、見たものをとらえて、それに向かう行為がめばえて視覚への期待が持てるようになった
- ・5カ月経過:記憶が芽生え、こちらの働きかけに応答する姿が見られるようになった
子どもの確実な成長を見て、寺井さんが思うこと
保育している中でベビーマッサージをとおした身体へのアプローチに大きな手ごたえを感じています。ベビーマッサージをいつも同じ手順で受ける事が、身体への効果とともに愛着の育ちへの積極的な援助になっているようです。
定形発達の子どもたちでは、当たり前に思っていたことも、発達が極めてゆっくりでムラがあるこの子にとっては、まったく意味合いが違います。小さな発達のあしあと一つ一つが、この子の『育つ力』を物語っています。人はどんな状態であっても、育ちたいという力を備える建設的な存在なのだと実感します。
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