産後の経験を力に―お母さんに寄り添うベビーマッサージ教室
以前ご紹介した活動報告から教室運営を続ける中で、より多くの親子に参加していただけるようレッスン内容や運営方法を見直し、現在は新たな形でベビーマッサージ教室を開催されています。今回は、その後の活動の様子についてご報告をいただきました。
産後の経験から生まれた「ママの拠り所」
兵庫県加古川市にある奥産婦人科で、月2回ベビーマッサージ教室を開催している奥成美さん。生後2か月から6か月までの赤ちゃんと保護者を対象に、定員6組・2か月間全4回の継続レッスンを行っています。
この活動の原点となっているのは、奥さんご自身の子育て経験です。第一子を出産した後、産後うつのような状態となり、育児につらさを感じる日々が続いていました。そんな時に参加したベビーマッサージ教室で、少しずつ育児に光が見え始めたといいます。
「同じような境遇のお母さんたちの拠り所になれたら」。その思いから資格を取得し、現在の教室運営へとつながっています。
より多くの親子に参加してもらえる教室へ
以前は1回完結型のレッスンを開催していましたが、リピーターの方が増え、半年先まで予約が埋まるほど多くの親子に利用される教室となりました。その一方で、新しく参加したいお母さんの予約が取りづらい状況も続いていました。
そこで2025年4月からは、生後2か月から6か月までの赤ちゃんを対象とした、2か月間・全4回の継続コースへとリニューアル。定員6組の親子が同じメンバーでレッスンを受けることで、赤ちゃんの成長を見守りながら、お母さん同士も自然と交流を深められる教室となっています。
親子の成長を見守る4回のレッスン
初回には、全4回のレッスン内容をまとめたリーフレットと30mlのベビーマッサージオイルをプレゼント。2か月間を通して、ベビーマッサージだけでなく、遊びや絵本の読み聞かせ、発達についてのお話などを取り入れながら、親子のふれあいを少しずつ深めていきます。毎回テーマを変えながら、赤ちゃんの成長を見守り、お母さん同士の交流も育まれるレッスンとなっています。
ファーストレッスン(約60分)
初回は、お母さん同士が安心して交流できるよう自己紹介からスタート。アタッチメント(愛着形成)について学んだ後、手遊びやベビーマッサージ、絵本の読み聞かせを行います。教室の雰囲気に少しずつ慣れながら、親子でゆったりとした時間を過ごします。
セカンドレッスン(約55分)
少しずつ教室にも慣れてきた2回目は、ベビーマッサージに加えて、マッサージ中の写真撮影やパラバルーンを使ったリズム遊びを実施します。親子で楽しみながらふれあい、笑顔あふれる時間となっています。
サードレッスン(約65分)
3回目は、遊びと発達についてのお話を交えながら、ベビーマッサージや季節に合わせた足形制作を行います。さらに親子写真も撮影し、この時期ならではの成長の記録を思い出として残しています。
ラストレッスン(約70分)
最終回は、これまでのレッスンを振り返りながら、受講修了証のお渡しや記念撮影を行います。最後はお別れ会として談話の時間も設けられ、2か月間をともに過ごした親子同士が和やかな雰囲気の中でレッスンを締めくくります。
思い出を形に残す取り組み
教室では、初回に写真撮影について保護者の承諾をいただいたうえでレッスン中の様子を撮影しています。撮影した写真は、第3回で制作した足形とともにラミネート加工し、最終回に受講修了証としてお渡しされています。
また、写真データはAirDropで保護者へお渡しした後、講師のスマートフォンから削除するなど、個人情報にも配慮した運営を行っています。
2か月という限られた期間の中で、赤ちゃんの成長を見守りながら、お母さん同士が交流し、思い出を形に残していく奥さんのベビーマッサージ教室。ご自身の経験から生まれた「ママの拠り所」として、一組一組の親子に寄り添う温かな時間が届けられています。
次のステップに向けて
6年間にわたり教室運営を続け、卒業生は1,000組を超え、現在も数か月先まで予約が埋まる教室となった奥さん。これまで一人で教室を運営しながら、親子一組ひと組に寄り添うことを大切にし、信頼を積み重ねてこられました。
その一方で、「これからは少しずつ事業を拡大していきたい」と考えるようになり、今後どのような形で活動を発展させていくことができるのか、当協会代表・廣島へ相談をいただきました。
その相談に対し、廣島は次のようなアドバイスを送りました。
廣島からの、次のステップへのアドバイス
6年間続けてこられて、卒業生が1000組というのは、教室としてひとかたの実績です。奥さんが、真摯に、堅実に取り組まれてきた結果であり、本当に素晴らしいことです。全国の他のインストラクターにとっても、目標となり、参考となる教室運営となるでしょう。
さて、つぎのステップについてのご相談ですね。事業を拡大したいという意向があるとのことですが、これは奥さんが、どのように事業を拡大したいのか(どうなりたいのか)によります。 これを考える前に、現状の強みを確認する必要があります。インストラクターが奥さん一人であること。教室としての箱(商圏)が一つに固定していること。このように、人的リソースが一人に集中し、商圏が固まっていることは、教室運営にとって大きな強みです。
これを考える前に、現状の強みを確認する必要があります。インストラクターが奥さん一人であること。教室としての箱(商圏)が一つに固定していること。このように、人的リソースが一人に集中し、商圏が固まっていることは、教室運営にとって大きな強みです。
その上で、考え方が2つあります。
一つは、産婦人科医院につながる教室としての在り方です。出産の際に、当院を選んでもらうだけでなく、「ここで産んでよかった」と思ってもらい、産後も繋がってもらえる。それによって、よいクチコミをおこしてもらう。こちらを志向される場合、拡大するというよりも、ベビーマッサージを中心にした今のやり方をブラッシュアップする方向になると思います。
もう一つは、教室を独立したひとつの事業体としてとらえる在り方です。この場合、2つの方針が考えられます。
いただいている情報をもとに、現時点でお伝えできるアドバイスは、これくらいです。
全国大会など、直接お話しをお聞かせいただける場ならば、対話しながら、よりつっこんだアドバイスをさせていただけると思います。
理事長 廣島 大三


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