ママの心をケアする出張助産院とケアプラザ でのベビーマッサージ教室の相乗効果 人見 碧さん

横浜市青葉区で「出張助産院・人見碧」を開業された人見碧(ひとみみどり)さんは、出張型の助産師をされるかたわら、横浜市内の 2 つのケアプラザでベビーマッサージ教室を開校しています。

助産師 人見 碧さん

看護師から助産師になり、出産を機に、産後のママにフォーカス

もともとは、看護師として約 6 年間病院勤務、その後、助産師の資格を取り、助産師として 3 年間勤務されましたが、ご主人の転勤を機に退職。その後、妊娠中に、日本アタッチメント育児協会のアタッチメント・ベビーマッサージ資格を取得しました。長男を出産したとき、ご自身が産後で悩みを抱える経験をしました。そのことが、同じような悩みを抱えるママたちを、助産師の立場からサポートしたいという思いにつながり、のちに出張助産院を開業する動機となったそうです。出産後は、ご自身の赤ちゃんにベビーマッサージをしたり、自宅で友人に教えたりして、ベビーマッサージインストラクターとしての経験を積みつつ、今後の活動を見据えて地域の子育て支援活動の様子やベビーマッサージ教室の情報収集をしていたそうです。こうして、いつしか人見さんは、助産師として自身が目指す方向性に気付き、復帰を考えます。

ママのメンタルケアを担う助産師に

仕事復帰に際して、人見さんが注目したのは、出張助産院というカタチ。そして、「お母さんひとり一人に寄り添って、マンツーマンで関わる」というコンセプトで、「出張助産院・人見碧」を開業。助産師と言うと、出産のイメージが強いですが、近年は、むしろ産前産後のママケアが重視されています。そんな中、人見さんが力を入れているのは、産後のママのメンタルケア。その一環としての母乳ケアやベビーマッサージだそうです。自宅に伺って、母乳ケアをしたり、マンツーマンでベビーマッサージをしたり。時には、ママのメンタルに合わせて、一緒にランチをしたり、買い物につきあったりもします。

ケアプラザでのベビーマッサージ

ちょうど地元のケアプラザのコーディネーターが、子育て支援事業をしたいという意向を聞き、人見さんが企画を持ちこんで採用となり、横浜市内の青葉台での子育て支援事業としてベビーマッサージ 教室をスタートしました。ケアプラザでは、ベビーマッサージの他に、子育てサロンの時間を設け、母乳の話や離乳食の話をしたり、子育ての悩み相談をしたり、助産師外来も行い、毎回 10 ~ 20 組の親子をむかえています。青葉台のクラスは評判がよく、それを聞きつけて、もえぎ野地域ケアプラザ「てとてとあおば」からも依頼を受けるようになりました。

広く開かれたケアプラザのベビーマッサージ教室は、たくさんの人 に助産師としての私を知ってもらうことにつながった

ケアプラザでのベビーマッサージ教室は、地域のママやパパに広く開かれていて、毎回たくさんの親子が参加してくれます。また、ケアプラザや市の広報活動にも掲載されるため、結果として出張助産師としての人見さんを多くの人に知ってもらうことにつながっているそうです。
実際に、ベビーマッサージ教室の生徒さんの口コミで、助産院の母乳ケアの依頼を受けたり、逆に母乳ケアからベビーマッサージ教室に来られるなど、相互に人の流れが起きているそうです。また、人見さんのベビーマッサージ教室の良い評判は、助産師としての人見さんの信用と信頼を積み上げています。そうしたコツコツと活動された積み上がりによって、この地域の助産師と言えば「人見碧さん」というポジションを築かれているのだと思います。

地域でコツコツと積み上げた信用は、地域だけにはとどまらない

今では、人見さんの出張助産院には、横浜市にとどまらず、川崎市や相模原市、あるいは都内からも依頼がくるそうです。また、こうした人見さんの活動が、これからの助産師の役割と、新たなお母さん支援のカタチとして、朝日新聞に取り上げられました。さらに、最近は講演依頼などももらうようになったそうです。コツコツと地域で活動を続けてこられたこと、ケアプラザという地域密着の場を持っていたことが、人見さんの知名度と信頼を作り上げ、ひいては出張助産師という新たな助産師のカタチを啓蒙することにもつながっている事例だと思います。

今後の展望

人見さんは、型にはまらない助産院をこれからも目指していくそう。その一つの試みが、プレママと産後ママの交流。

『産む前のプレママと産んだ後の産後ママが対面する場をつくり、子どもができることの素晴らしさを伝えていきたい。それには、私一人では限界があるので、いろんなママたちを巻き込んで、協力して実現してい きたい。』

人見さんは、そんな展望を語ってくれました。

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