保育園に通わせてみて ―“他人の目”を通した我が子の姿

今はそんな家庭も多いと思いますが、我が家は夫婦共働きで、1歳半の息子を保育園に通わせています。
通わせ始めたのはもっと前で、息子が生後8か月の頃。歩くことはもちろん、まだつかまり立ちすらできない時期でした。

我々の両親からは、早いんじゃないの?そんなに急がなくていいんじゃない?お母さんと離れるの可哀想じゃない?などと度々声が上がりました。そして、正直なところ、私自身にもこんなに小さなうちから保育園に通わせるということに多少の不安はありました。

必要に迫られ、息子をあずけることは我々夫婦の中で既定路線だったので、その分保育園選びには徹底的にこだわりました。いくつもの園を見学させていただき(特に妻ががんばりました…)、それぞれの園の私たちのニーズに合う部分・合わない部分をノートにまとめて比較しながら、慎重に選んでいきました。(それでも希望する園に入れるかどうかはまた別問題です。待機児童の多い自治体もあって、難しい所ですね)
そうして、納得のいく、子どもにたっぷり愛情を注いでくださる園を見つけ、運よくそこに通わせることができている今、当初の不安なんて何だったんだろうというくらい私たちは保育士の皆さんを信頼して息子を託すことができていて、息子も先生方が大好きで笑顔いっぱい順調に園に通い、しっかりと成長してくれています。
「3歳児神話」に悩まされるお母さんも多いですが、母子関係以外でもしっかりと愛着関係を築ければ、大きな問題などなく発達が促されていくのだということを実感しています。
今ならば、我が家の育児の正当化とは全く関係なく、幼いうちから子どもを保育園に預けることは「可哀想なことなんかじゃ絶対ない」と断言します。

保育園での毎日の様子が書かれているおたより帳は、宝物です。
家ではなかなかできなかったり、思いつかなかったりするような豊かな遊びを経験させてくださっている様子が伝わってきますし(家での遊びのヒントにもなっています)、自分の知らない息子の姿が記されていて、そこから成長を実感することが多々あります。
何より、子どもたちの様子をしっかりと観察して色んなことに気づき、忙しい中おたより帳を丁寧に書いてくださる保育士の皆さんに頭が下がりっぱなしです。

保育士さんの話が、親に大きな気づきを与えてくれることもあります。
先生たちが人形劇を子どもたちに披露していたときのこと。息子はその劇をそっちのけで、前に座っている女の子の髪留めに夢中になって、そっちばかりを眺めて触ろうとしていたそうです。その様子を見ていた先生たちは「それでこそ●●(息子)ちゃん~!」と笑いあわれたとのことでした。
そのエピソードを知って私はちょっとびっくり。
先生たちから見ると、息子ってそういうキャラクターっていう認識なんだ!と。笑
「おいおい、ちゃんと劇見てくれや~」って思った私と対照的に、別の事に興味を示す息子を尊重してくださっている先生方。どうやら先生たちの間では息子は「マイペースキャラ」のようで、そんな姿を愛してくださっているようなのです。
確かに家でも、ユーモラスな所があるなぁとは思っていたのですが、「マイペース」っていう発想はあんまりなくて、新たな息子の一面に気づかせてもらったのでした。

私たち親にとって、客観的に我が子を見るということは非常に難しいことだと思っています。そもそも、自分の子以外に育てたことがないのですから、比較対象がほぼいない。そして、知らず知らずのうちに「こんな子であってほしい」という親としての願望も投影しながら我が子を見つめている自分にも気が付きます。

一方で、たくさんの同年齢児を見て、世話してきた保育士の皆さんは、色んなタイプの子どもたちに出会ってきている分、その一人ひとりの個性を見つけ出すプロだなぁと思うのです。いいところも、心配なところも、たくさん気付いて教えてくださいます。そんな「他人の客観的な目」を通して我が子のことをさらに深く知ることができるのは、子どもを保育園に通わせる大きなメリットだと感じています。

コロナ禍でなおのこと、“他人の目”に子どもを触れさせる機会が少ない今。自分の価値観だけで子どもの姿を捉えていないかどうか、自問しながら育児していきたいと思います。

投稿者プロフィール

まえっち
まえっち
2020年1月に長男誕生。1児の父。
仕事はテレビやラジオのお天気キャスター(気象予報士)。好きな食べ物はお餅。
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投稿者: まえっち

2020年1月に長男誕生。1児の父。 仕事はテレビやラジオのお天気キャスター(気象予報士)。好きな食べ物はお餅。

「保育園に通わせてみて ―“他人の目”を通した我が子の姿」への1件のフィードバック

  1. まえっちさーーーん!
    今回も素敵なブログありがとうございます!

    保育園に通うことのメリットをここまで書けるのが凄い!他人の目を通した我が子の情報ってメチャクチャ貴重ですよね!幼稚園やデイサービスでの様子を聞くのも、新しく我が子の成長を知る大きな機会となってます!

    育児のプロはやはり違うなー!と思うことばかりでした!特に我が家は娘が特別支援でお世話になっているので、幼稚園に入る前の療育施設の先生方には感謝の気持ちでいっぱいです!(T_T)親の力だけじゃ伸ばしてあげられなかっただろうなと思うことばかりでした!

    まえっちさんの言うように、自分の価値観だけで子供の姿を捉えていないかって感覚はとても大事なことやと思います!

    この猛暑!天気予報士としても大変だと思いますが、暑さと上手に付き合いながら、この夏もお互いたくさん楽しみましょーーー(≧∀≦)

    いつもありがとうございます!!!多くのことに気付かされて、とても勉強になりました!!!

    次の更新も楽しみにしていまーーーす!!!

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