育児セラピスト・ライフサポーター講座

「アドラーですべて解決」はない、しかし「アドラーがいなければ!」なのだ

今回わたしの体験談として、妻との間に実際に起こった話をしました。それは、10年以上のあいだ、わたしが妻に発信し伝えようと試み続けたものの、まったく聞く耳さえ持たれなかったことについてです。アタッチメント理論、交流分析、ライフサイクル、精神分析など、これまでに講座化したさまざまな理論を持ち出して伝えても、いつも心理ゲーム(夫婦喧嘩とも言います)で終わってしまっていた件です。それが、アドラーの文脈に載せたら、妻はストンと腹落ちしたのです。しかも、車の中の雑談で。もちろん、これまでの話の土台があったからこその話であることは言うまでもありません。それにしても、最後の一押しがアドラーだったのです。いまでも、わたしたちの夫婦関係を大きく変える出来事であったと回想します。まさに、おなかからのアプローチだけでは到達できなかった概念あるいは思考が、背中からのアプローチによって伝わったイメージです。

アドラーだけで、すべてが解決することはあり得ません。しかし、アドラーの視点がなければ、本当の解決にいたらないことがあるのです。このことは、これまでに学んだ他の理論についても同じことなのは言うまでもありません。だからこそ、われわれ育児セラピストは、複数の理論を学び、活用し、人というものを、多方向からメタ的に理解しようと試みるのです。

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