第7回育児セラピスト全国大会2016「あそびをまなぶ」

優秀実践発表 東京

保育・幼児教育部門:安原マヤさん

「わが子の成長のために学んだ知識とスキルは、子育て支援で活かされる」

安原さんは、愛知県豊橋市の幼保連携型認定こども園「明照保育園」の保育士さんです。活動は、こども園の子育て支援事業として、園内に併設された放課後児童クラブの教室を使って活動されています。放課後児童クラブは、小学生が対象なので午後からしか教室を使わないので、空いてる午前中に、ベビーから幼児までの親子のための様々な教室を開催しています。「ベビーマッサージ」に「アタッチメント・ヨガ」、そして昨年からは「あそび発達」も始められました。

長女が生まれて出会ったベビーマッサージ「これを私も伝えたい」

最初のきっかけは、第一子の長女の誕生だったそうです。育休中に長女と参加したベビマ教室が、とにかく楽しくて、ベビマに夢中になったそうです。保育士である安原さんは、「これだ!」「これを私も伝えたい!」そう思い立ち、次の瞬間にはアタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター講座を申し込んでいたそうです。インストラクター資格を取得すると、早速ご自身が働く認定こども園で、ベビーマッサージ教室を始めました。

安原マヤさん1安原マヤさん2

やがて、教室はベビーマッサージサークルへと発展していきました。そして、そのお母さんたちの子どもの成長と共にベビーマッサージ卒業の年齢になってくると、お母さんたちから、「もっと続けたい」という声をもらうようになりました。そこで、安原さんは、すぐにアタッチメント・ジムとキッズマッサージのインストラクター資格を取り、1歳を過ぎた子どもたちのための教室を開きました。そしてこちらは、1歳以上の子のための受け皿としてアタッチメント・ジムサークルとなりました。

妊娠中、おなかの中の次女と「つながる」体験が出来たアタッチメント・ヨガ

安原さんは、第二子を授かったタイミングで、ちょうど「アタッチメント・ヨガ」と出会いました。妊娠中にアタッチメント・ヨガに出会った安原さんは、ベビマに出会った時と同じように、アタッチメント・ヨガに夢中になりました。そして、「これを深めたい!」という衝動が湧き、アタッチメント・ヨガ インストラクター講座を受講し、インストラクター資格を取得します。そして、早速アタッチメント・ヨガ教室を開くと、その教室は、ヨガサークルとなりました。こうして、3つのサークルを運営することになりました。

安原マヤさん5安原マヤさん6
これらの3つのサークルは、地域のお母さんたちの拠り所となり、就園年齢になると、その子どもたちが明照保育園に入園する、という理想的な流れがやがて出来ていったそうです。この好循環は、いま全国各地で起こっている現象です。子育て支援における各種教室が、地域の就園前の親子を呼び、教室で関係性ができることで、教室に通った子どもたちは、その園に入園してくれるのです。

「人が人を呼び、園児が集まる」これからの子育て支援のあるべき形

私は、実はこの流れが、これからの子育て支援と子ども園や保育園の運営における「型」になっていくと思っています。子育て支援におけるベビマ教室などの教室を通して、先生とお母さんの間に理想的な人間関係が出来ているので、入園後もお母さんと園の関係は、非常に良い状態に保たれ、園の運営の面でも理想的な状態が出来上がります。園が園児を集めるのではなく、お母さんが園を選ぶのでもない。「関係性を通して園(先生)とお母さんがつながる」これからは、この型しかないと、私は思っています。

理想の幼児教育を子育て支援の現場で実現したい

安原さんの話に戻しましょう。安原さんの活動はさらに精力的に続きます。ちょうど、眼に入ってきたのは「あそび発達インストラクター講座」でした。保育士として幼児教育を提供してみよう、と思い立ったのです。最初は「うまく伝えられるだろうか?」と思いながらの受講でしたが、いざ受講してインストラクター資格を取得してみると、学んだ理論と自分のこれまでの経験が補完し合い、とても腹に落ちたそうです。そして、「伝えられる!」という思いは確信に変わったそうです。 早速、サークルのママたちにお知らせして、「あそび発達教室」を開催しました。安原さんは、プレゼンテーションの中で、具体的な活動の様子や内容を紹介してくれたのですが、さすが、「自らの経験と学んだ理論が腹落ちした」とおっしゃるだけある内容でした。保育士さんとしてたくさんの子どもや親と関わり、自らも子育てを現役でされているだけあります。「あそび発達」の開発者の私としては、「現場の実践における理想的なカタチ」であると表現したい内容でした。会員の方は、ぜひアタッチメントライフで、安原さんのプレゼンテーションを掲載しているので、ご覧ください。

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母の思いは、子育て支援を通して地域のママたちに広がる

安原さんの最初の動機は、母親としての好奇心や親としての思いでした。そこから始まって、こんどは自らが学んだことを、子育て支援の場に持ち込み、教室という形で他のお母さんたちと学びを共有する仕組みを作りました。それは、安原さんが、よりよき母親になるためのステップであり、保育士としてのスキルアップでもあり、さらに保育園にとっての地域貢献でもあり、そして最終的に、お母さんたちにとっての子育て指南、子育て支援となっています。

制度としての子育て支援だけではなく、こうした「ひとりの人の個人的な思い」が地域に広がる形で成立する子育て支援が、これからは、もっともっと拡がってほしいと、安原さんの活動を見て感じます。

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