アタッチメント・ヨガ対談「ヨガ+心理学」

廣島:今回の話の中で、我々の心理学というドメインと、ロータスさんのヨガというドメインが出会って、すごく今までにないものができたなと改めて思っています。ヨガってやっぱり神秘的なものっていう抽象度の高いイメージが大きいと思うんですね。例えばユニバースと繋がるとか、本当の自分に出会うとか、抽象度の高い言い方の説明が多い。それに対して、実はそれって心理学でいうと、こういうふうな言い方しているよ。― 例えばボウルビィのアタッチメント理論の中では、最初のお母さんとの出会いの中で、母子のフレームワークっていうのが、人間関係の基本になっていて、そこから人間関係を膨らませていくんだと唱えている。これがヨガで言っている本当の自分と繋がるということなんだよ、みたいな。アタッチメント・ヨガは、そういう深い理解の仕方をするきっかけを作ることができるんじゃないかなっていうことをすごく感じました。

実際、伸さん(橋村さん)は心理学の部分も、アタッチメント・ヨガで登壇されていると思うんですけども、そのあたりヨガの立場で心理学を教えてみてどうですか?いろんな発見があるとか感じたこととかっていうのは。

橋村:ヨガの立場で心理学を教えて。そうですね。実際にやっぱり理論や学問って、一見社会では役に立たないものに思われがちです。それに対して、ヨガっていうのは実践部分が沢山あるんですね。でも、実践というのは、流れの中で起きちゃうことが多くて、それらを文字として理解してくことが難しい。

心理学は、それに理論や背景を与え、文字で伝えてくれる。より不安を取り除いてくれたり、状況把握ができたりしやすくなると。心理学っていうものをちょっと学ばせていただいて思うのは、ヨガを行っている中で、取り除かれる不安や、悲しみとか状況の把握っていうようなものを、学術的に理解できるのだということです。

廣島:論理的にって言っても良いかもしれないですね。

橋村:そうですね、論理的に文字として理解したときに、初めて何となくじゃなくなる。

廣島:これすごいです。「何となく」じゃなくなる。

橋村:心理学によって、何となく不安が取り除けたとか、何となく状況が把握できたとかではなくなるんですよ。それってメカニズムなんですよね。要は方法論が分かったっていう。そうすると、すごく問題解決はイージーになってくると思うんですね。

だけど、これが流れの中で「何となく」解決していく人っていうのは、なかなか成長しないんですよ。ロジカルに理解することによって、その都度の問題に対して論理的に考えられて方法論を素早く見付けられるし、あたふたしないようになる。

それによって何ができるかというと、カウンセリングもできるようになる。ここで、すごく良いなと思うのは、ヨガっていう視点を、さらに心理学っていう学問ではこういわれているっていうことを言えることによって、より説得力が増しますし、「解決できたのは・悩んでいるのはどうしてか?」ということを、その状況把握ができたら大体の問題って解決できるんですよ。それが心理学にはきちんと言葉として落ちている。ヨガには方法論として落ちていたりして、それらをちゃんと両方見ていくことによって、結構いろんな問題が解決されちゃうんじゃないかなって。

廣島:実践と論理ですよね。

橋村:そうですね。意外とヨガの傾向として、そういう論理的な部分での解決っていうのは、求められなかったりするし。

廣島:確かに、私もヨガを自分でも実践をしていて思うのは、ヨガの中にあるのって論理ではなくて歴史ですよね、基本的には。その歴史を学ぶことでヨガというものに対しての信憑性はすごく高まるし、実際やっていて、歴史を知っていた方がヨガって俄然楽しいんですよね。でも、それは論理性ではないんですよね。ヨガの歴史という事実の他に、それ以上何がいるんですかっていう部類の説得力です。それは最も説得力があります。しかし、理解はしにくいわけです。

逆に、心理学は、論理性があるので、理解はしやすい。でも、机上の空論みたいなところがあって説得力が薄い。つまり、ヨガと心理学は、実践における説得力と、論理性における理解という点で、お互いを補完し合う仲と言えると思います。

これこそが、先ほど伸さん(橋村さん)が言われていた、いろんな問題を解決できるっていう可能性を秘めている所以なんじゃないかなと感じました。

橋村:少し付け加えると、ヨガは、個人の中に気づきがあったり、個人の感性でこれってこうなんじゃないかって気づいたとか、そういうことが起きるわけですよね。気づきみたいなもの。

この気づきみたいなものが、論理的に説明されていたりするのが心理学の分野で、それをちゃんと言語化してくれているからより使いやすくなっていますっていうのが、今回のアタッチメント・ヨガでは、心理学とヨガの、所謂、頭と心みたいなのがきちんとパッケージングされているんじゃないかなと思っています。

僕としてはやっぱりアタッチメント・ヨガっていうのは、ある意味、新しいヨガなんですよね。所謂、育児などに従事されている方、職業関係に従事されている方にはとても良いものだと思うんです。あとヨガの人たち、所謂、ヨガのインストラクターをしているような人たちにとっては、学ぶべきところとしては、やはり先ほど僕が伝えた、「あなたが感じている『何か』が何なのかっていうところが知れますよ」っていう話なんじゃないかなと。

今まですごく抽象的に伝えていた、おぼろげな感覚っていうのを、言語化したらこういうことなのかもしれないし、それはどうして起きているのかっていうことを辿ると、心理学には答えがあったりする。何かを解決しなきゃいけないときに、起きている現象なんか見ても仕方がないわけですよ。根本を見なきゃいけない。そうなったときには、心理学的なところで見ていくと、根っこに何か起きたから、こういうことになっちゃってるよ、っていうことがわかる。そういう意味では、心理学を学ぶっていうのは、いろんな出来事が起こる中で問題解決や状況把握をするために、頭に入れとけばすごく使えるんじゃないかなと。

それぞれの立場において、どこをポイントにして学びにくるかっていうのは、違うと思うんですけれど、漠然とした問題に対して、アプローチする仕方として、心理学できちんと根拠をもって、ヨガで今を包み込むみたいな形でやると、今回このアタッチメント・ヨガを学ぶ人たちにとっては、良いものになるんではないかなと思いますよね。

廣島:最後の質問なんですけども、ロータスエイトの代表としての橋村さんの、今後の展望を聞かせて頂きたいなと思うんですけど。

橋村:僕個人で見たときに、十数年後の女性に対してのもの作りをしてるわけですよ。そんな中で『女性』っていうものをいろんな形で見ていくと、女性の心と体からストレスを取り除くっていうことが、弊社のテーマでもあり、僕個人のテーマなんですよね。そこを掘り下げていくと、最終的に女性が幸せな社会でこそ、男性も幸せになると思うんですよ。

廣島:社会のハッピーはまずは女性のハッピーからだと。

橋村:そう。そこからスタートするって考えたときに、女性の生き方はいろいろありますが、私たちが目を向けてきたのは、バリバリ働く独身女性でした。でも女性にとって、やっぱり子どもを生み育てることは重要です。これまでは『ママ』っていう分野の人はあまり見てなかったんですけど、課題だったんですよね。

廣島:今の読者の方たちの延長線上にママがいるっていうことですよね。将来ママになる人がたくさんいるってことですよね。例えばバリバリ働いているОLさんでも。

橋村:すでにもう僕たちがものを伝えてきた人はママになっているんです。ママは沢山居て、子どもも増えていて、今後、日本としても女性が働きながら子どももハッピーになって、女性もハッピーになってっていう社会構造を作っていかないと、日本って未来がないんですよ。そんな中で考えたときに、まず働く女性、しかもママのストレスを取り除くっていうことを考えたり、あとママと子どもとの繋がりをきちんと見つめていったりっていうのは、うちの会社として、大切なところなんじゃないかと思っていて。

廣島:確か、託児所を作りたいとお考えとか。

橋村:それはヨガを受けやすくするためですね。単純にママは子どもを連れてヨガに来られないっていうのがあるんで、託児所付きヨガとかっていうのは結構良くて。託児所付きヨガっていうの流行っているんですけれど、なかなか環境がきちんとしてないと作れないんですよね。そこがやっぱり難しさでもあるんです。

廣島:そうですね。そこの場が子どもにとってハッピーな場でないといけないから、なかなか一朝一夕に取り組めることではないですよね。

橋村:そうですね。

廣島:でも今後の展望としては、すごく社会にとっても重要な視点なのかなと思います。お母さんのハッピー、子どものハッピーみたいなところ。さっきの話ですごいなって思うのは、日本という単位で考えているってこと。日本の国力っていうとこまで考えている。それをずっと落としていくと、まずは女性のハッピーから作っていきたいっていう、そういう思いはすごく共感するところで、お互いこれから力を合わせて頑張っていきたいなって思いました。まだまだ話は尽きないですけども、こんなところで対談を終わらせていただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

橋村:ありがとうございました。

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