シニアマスター講座を終えて

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先日6月18日・19日の二日間で、育児セラピスト シニアマスター講座を9名の受講生を迎えて開催しました。私が言うのもなんですが、今回のシニアマスター講座は、本当に充実しており、自分自身でも「出し切った」という感覚で満たされた講座となりました。恐らく、受講生の方々も、同じような「充実感」を感じていただいたのではないかと思っています。そのような訳で、ぜひ皆さんにも報告したくなってしまい、このブログを書いています。

まず今回は、ご参加いただいた9人の方々に恵まれました。

「場」と言うのは、講師が作るものではなく、講師と受講生とが相互に影響し合って「出来上がる」ものです。だから、同じ講座でも、二度同じ「場」は出来ません。いつも違います。その観点で言うと、今回の9人の方々に、このシニアマスター講座で出会えたことに、とても重要な意味があったのだと思っています。

このシニアマスター講座は、ある種の必然性から生まれた講座です。それは、「人生の正午に、わたしを振り返る」ということです。「人生の正午」とは、ユングによる、人生の折り返し地点となる40歳から45歳の時期を象徴的に扱った言葉です。ユングは、この時期を人生における勝負所と捉えました。我々の多くは、それを知らない、あるいは知っていても、そのままやり過ごしてしまいます。だからこそ、この時期に「意志を持って」「きちんと立ち止まって」「人生の振り返りを行う」そのために、十分な時間とエネルギーを注ぐことは、非常に重要なことです。今回参加された方は、そのことを、体と心で実感されたことと思います。

食事

今回の参加者は、人生の正午目前の30代後半が2名、人生の正午の真っ只中の40代が私を含めて4名、人生の午後に入った50代が4名で、それぞれに別々の動機を持ってやってきたのですが、実は根本では、みな動機がつながっていたのです。つまり勝負所で、「私を振り返りにやってきた」のです。言い換えれば、置き去りにしてきた発達課題を果たしに来たのです。

さて今回は、初の宿泊講座を試み、「第二部」と銘打って夜の講座を行いました。これが、今回のシニアマスターのテーマである「人生を振り返る」土台となりました。その日に予定していた講座カリキュラムが終わった第二部では、食事をして歓談した後、ビールを飲みながら、リラックスした雰囲気で行いました。テーマは、「わたしを知る」そして「やり残した発達課題を見つける」です。講義はほとんどなく、ワークをやって、その後の振り返りで自由に発言してシェアする、そして、そこで起こったことを解説する、というスタイルでした。

食事

私にその狙いは全くなかったのですが、一種のエンカウンターグループのようになっていたようです。エンカウンターグループというのは、心理療法の一つで、グループで感じた事を思うままに本音で話し合っていくというもの。(私にその意図は全くありません。あくまで結果としてそうなった、と言う話でご理解ください。)参加者の方たちの心の中で、何かのスイッチが入った、あるいは扉が開いたと私が感じたのは、次の日の朝でした。朝も、通常カリキュラムが始まる1時間前の9時から、昨晩の第二部の続きを行いました。明らかに、皆さんの心が「オープンマインド」になっているのが私には伝わりました。そして、それぞれに、これまでは意識も向けることがなかった、しかし無意識下にいつも佇んでいた「あるモノ」と出会ったようです。その「あるモノ」は、全く予期しない出来事であったり、思いもかけない相手だったり、あるいはとうに忘れてしまった感情だったり、人それぞれです。それらを互いに開示し合ったりはしません。ただ、それぞれの意識下に漂わせたのです。

食事

そして、カリキュラムの最後に、これまでに(カリキュラムの上で)学んだ知識を総動員して、「私の人生を振り返り、これからを描く」というワークに取り組みました。ここではもう、「ライフサイクル」や「発達課題」、「人生の過渡期」といった言葉は共通言語です。これらの共通言語を軸にして、人生の年表を作り、これからの人生を描く作業です。今回は、前日から第二部のワークによって、「オープンマインド」の状態になっていたので、みなさん非常に深く入り込んで取り組んでおられました。これからの人生を歩くうえで、この作業をしたことの意味は、とてつもなく大きいと思います。参加いただいた方々には、ハッキリと感じていただけたことと思います。

これからを描くワーク

実は、私はこの「振り返りの作業」を毎年自分一人で行っています。もちろん、そのために2日間まるまる空白の時間を作ります。そして、毎年のように「やり残した発達課題」と出会ってしまい、それを果たしています。発達は階段です。「やり残した発達課題」も階段です。これが解決したら次、そしてまた次といった具合に順番にしか現れてくれません。まさに、人生そのものですね。

しかし、私のように一人でやるのは、限界があります。仲間とやれれば、それに越したことはないのです。私も、出来ることなら受講生の側で参加出来たらと本気で思っています。

ですから、既にシニアマスターを受講された方は、定期的に、「自分を振り返る」ために、再受講されると良いと思います。(せっかく再受講制度があることですし)そして、まだ受講されていない方で、「人生の正午」の渦中またはその前後におられる方は、心からおススメいたします。逆に30代前半よりも若い方は、なまじ知識を身に付けるより、今を突っ走ってください。そして、「人生の正午」にお会いしましょう。

(社)日本アタッチメント育児協会
代表理事 廣島 大三

登壇写真

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