ベビーマッサージの本質が問われている(2)

前回は、

「やると良いことがたくさんあるのに、やって悪いことは一つもない。」というものならば、赤ちゃんに対して積極的に取り入れるべし。ただし、それを支える前提として

「赤ちゃんにとって100の良いことあったとしても、たった一つの悪いかもしれないこと、あるいはリスクが伴うなら、その選択は、一切するべきではない」

ということをお伝えしました。

もちろん、当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、上の前提をクリアしたメソッドです。つまり、赤ちゃんに悪いことも、リスクも一切ない営みです。施術者(お母さん)の手加減ややり方、あるいはスキルに影響されるようなマッサージは一切入れていません。誰でも出来て、失敗のないものだから、あるいは、多少やり方を間違えても問題はないものだから、自信を持って「やると良いことがたくさんあるのに、やって悪いことは一つもない。」と言い切れます。

でも、それなら、悪いことはないかもしれないけど、良いことも特にないのでは?とお思いになる方もいるかもしれません。しかし、それは違います。そもそも、ベビーマッサージとは、アタッチメントの営みなのです。つまり、心の営みであって、「どうマッサージするか」とか、「どう動かすか」といった手技は、大きな問題ではありません。

私どもが「アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター」の育成を始めた当初から、このことについては、非常に重視してきました。私は、ベビーマッサージが関わるべき分野は、運動生理学でもなければ、医学でもない、「発達心理学」であると捉えています。だからこそ、当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター養成講座」のカリキュラムは、発達心理学とアタッチメント理論がベースになっています。「アタッチメント・ベビーマッサージ」の効果効能は、すべて「アタッチメント」によるものであると位置づけています。そして、その学術的根拠も明らかにしています。

ちなみに、この考えは、当協会の「アタッチメント・ヨガ(マタニティヨガ&ベビーヨガ)」のポーズ(アーサナ)においても、全く同じポリシーです。妊婦と胎児にとって、一切のリスクのないポーズで構成されています。


今回の首ひねりマッサージによる乳児死亡という事故は、すべてのベビーマッサージ資格認定団体にとって、その本質が問われるきっかけとなったと思います。本来は、このような整体的施術法は、ベビーマッサージとは無関係のはずなのですが、赤ちゃんに行うマッサージのような施術であることから、無関係ではいられないことでしょう。

だからこそ、私たちは、ベビーマッサージの本質を、きちんと伝えることが重要だと思っています。それこそが、われわれ日本アタッチメント育児協会の、ベビーマッサージ資格認定団体としての本質であります。

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