子どものメンタルヘルス:解離という精神障害と親子関係(1)

先日、児童精神医の先生のお話を聞きましたが、基本的に、発達心理学で言われていることと同じ結論に至っている、と言う印象でした。
最近では、医学者と心理学者が同じチームで、医学的アプローチと心理学的アプローチの両面から、研究を進める取り組みも行われています。

ところで、先日は、名古屋大学で、児童精神医の先生にお話を聞いてきたんです。
この中で、「子どもの心の問題」における最近の傾向は、多様化、低年齢化が進んでおり、従来の医学的常識に対応しない症例が増えているとのことでした。

その背景には、都市化や少子化などがあるようです。
この延長線上には、「引きこもり」や「虐待」などの社会問題があるということになります。

最近、児童精神医学界では、新たに「解離」という症状が注目を集めているそうです。そもそも、この「解離」という症状は何か?ボクの理解で言いますと、「自分を失った状態」で、一貫性を失った状態です。

例えば、スポーツ観戦をしていて、熱狂的に応援するあまり、われを忘れた状態を経験したことがある方は、多いと思います。これは、健全な「解離の状態」だそうです。
この状態が、日常生活の中で、起こると考えると、なんとなく想像できると思います。

そして、この「解離」の状態を経て、「うつ」に至ったり、リストカットなどの自傷行為や自殺、幻覚・幻聴といった症状になる、ということが言われてきているそうです。
この「解離」という症状ですが、年齢が低い程なりやすいそうです。
では、子どもの心が、健全に育たず、解離傾向になってしまう大きな要因は、何だと思いますか?

それは「親子関係」、「親の子に対するかかわり方」だそうです。具体的には、一貫性のない態度や、(主に)母親の過干渉、子どもの言う事に耳を傾けない態度などが原因するそうです。こう言ってしまうと、こういう態度は、誰しも心当たりがあると思います。ボクもそうです。

でも、「解離」の状態まで子どもを追い込んでしまうのは、このような態度を常にとってしまっている場合ですので、こうした態度をとったからといって、子どもが解離になってしまうわけではないんです。

この続きは、次回に回したいと思います。次回は、実際に解離傾向が見られる子どもとその両親の臨床テストを交えて、この続きをまとめようと思います。

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