お悩みSV・対面Bグループ「家事・育児、いまどき夫婦の奇妙な役割分担」

恒例!お悩みスーパーバイズ 2023

スーパーバイズとは「今抱えている問題・悩み」をグループごとに話し合ってもらい、それに対して当協会理事長の廣島のスーパーバイズのもと、参加者全員からも意見をもらう、というものです。

家事・育児、いまどき夫婦の奇妙な役割分担

いまの子育ては、昔とはずいぶん変わっています。

お母さんとお父さんが、一人の子どもに対して、別々に子育てしていて、まるで「ワンオペ育児×2」のようになっている家庭を見受けます。

そういう中で、子育て支援の現場では、子どもではなく、もはやお母さん支援になっている傾向もあり、そうした状況にモヤモヤとすることもあります。

子どもではなく、親が主役になってしまっているようにも感じます。
グループメンバー共通の憂えとして、こうした話に共感した時間でした。

わたし自身は、名古屋だからなのか「ワンオペ×2」という子育てを、身近に実感したことはありません。都内に特有のことなのかもしれません。
普通に考えると、こういう子育てをしていては、楽しくないと想像できます。しかし、「ワンオペ×2」のお父さん、お母さんは、それぞれに楽しんでおられるそうです。そうなると、もう何も言えません。楽しんじゃっているのですから。幸せに水を差しても野暮なだけです。

しかし、人類学的な特徴として、ヒトは共同で子育てをするように出来ていることは、サラ・ハーディーが言っているとおりです。
それがヒトとして、自然の理(ことわり)です。それに反した営みは、どこかで歪みや葛藤が生まれます。お父さんもお母さんもいるのに、家族ではないという状況は、子どもを混乱させるからです。これでは、子どもの発達に不都合を生んでしまいます。

「なんで、うちは3人でお出かけしないの?」などという、なにげない子どもからの一言がきっかけになるかもしれません。あるいは、子どもに自我が出てきたころに、どちらの言うこともきかなくなる、という問題行動の形で現れるかもしれません。

そうして、これまで楽しんでいた状況が一変する時が早晩おとずれるでしょう。
「最近、うちの子が、わたしの言うことも、夫の言うことも聞かないんです。どうなっちゃったのでしょうか?」
こんな問いを投げてきたら、その時が、アドバイスのチャンスです。
けっきょく、相手が聞く準備ができていないと、何も伝わりません。そのためには、準備ができるまで「待つ」しかありません。たいていの場合、準備ができるのは、問題や事件がきっかけとなります。

われわれ子育て支援の側の人間にとって、この「待つ」という姿勢は、とても大事です。
いますぐ伝えてスッキリしたい気持ちを抑えて、事件を待つ姿勢が、ときに必要です。

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