「正しいことを、“ただしく”やる」、「当たり前のことを、“あたりまえに”やる」のが、これからの子育てのあり方

今年の全国大会でリリースするスキルアップ講座「アタッチメント・ペアレンティング」の製作が、最終段階に入ってきました。  こうして講座としてまとめる過程で、じつに様々な分野が「アタッチメント」に着目するようになったことに気づきます。心理学の世界から発せられたアタッチメントは、精神医学の領域にとどまらず、脳科学、社会学、生物学、遺伝学そして経済学にまで影響を及ぼしています。そして、改めて発見しました。このテーマは、子育ての本質にせまっている。

 

ひとことで言えば・・・

「親をすることは、ただしく生きること」

子どもは、わたしたち大人に本質を問うてくる

だから、子育ては親を成長させてくれるのだと実感しました。子どもは、われわれ大人にいつも本質をついた問いかけをしてきます。

赤ちゃんが泣く、後追いをする。それは、「なんの見返りもなくても、愛することが出来ますか?」と問うているのだと思います。

少し大きくなると、ためし行動をする、イヤイヤする。それは、「ネガティブな態度をとっても、愛し続けてくれますか?」と問うています。

さらに大きくなると、反抗する、暴言を吐く、ケンカする。それは、「嫌な思いをしたり、ケンカしたりしても、すぐに仲直りできるし、いつでもわたしの味方で居続けてくれますか?」と問うています。「悪いことをしたり、道を外したりしたら、それを叱って、ただしい道に引き戻してくれますか?」と問うています。

これらは、倫理観や道徳心であり、慈悲の心であり、まさしく人が老年期までに到達したい心のあり様につながるものです。子どもは、それを親に投げかけてくれます。どうやら、“ただしく”子育てすれば、“ただしく生きられる”ということになりそうです。

高度経済成長期以降、子育ては少しずつズレて、今日まできた

しかし、この“ただしく”やるのが、どうにも難しい時代になってしまいました。この講座の中では、時代背景とともに、子育てをみていく場面がありますが、1960年代の高度経済成長期以降、子育ての常識は、少しずつ本質からズレながら、今日まで来たようです。「正しいことを、“ただしく”やる」、「当たり前のことを、“あたりまえに”やる」というのが、特殊なことになってしまいました。その影響をもっとも受けているのが「子育て」だと思います。

時代の変化に適応できる教育があたえられたなった子どもたち

子育てにおいて、今やっていることが花開くのは10年後です。逆を言えば、今起きている問題や不都合は、10年前に原因をさかのぼります。10年前、子どもたちは、高度経済成長期からの価値観で、点数評価の教育のなかで、高い点数をとることが良いことだと教わってきました。その後、人口減少社会、高齢化社会になり、高度経済成長期の論理が機能しなくなった現代で、社会人になったら「自分の頭で考えろ」「自分の意見をもて」と言われ、無能扱いされてしまいます。変化に適応できないのは、子どものせいではありません。子育てをしてきたわれわれ大人の責任です。

だからと言って、大人を責めてもしかたありません。なにせ、時代の流れだったのですから。まわりの誰もが、点数評価の教育を疑うことなく突き進んだのだから。時代に抗(あらが)うための道具も武器も持ち合わせていなかったのだから。

わたしの子育ての確信

 

アタッチメント・ペアレンティングをまとめていて、わたしは確信しました。

 

いま子育てしている人たちが、子育てにおいて、「正しいことを、“ただしく”やる」、「当たり前のことを、“あたりまえに”やる」そのための道具と武器を提供することが、いまもっとも必要なことなのではないか。まわりが何と言おうと、時代がどうだろうと、自信をもって、“ただしく”、“あたりまえに”子育てする。そのための根拠となる知識と枠組みと、それを使いこなすスキルを教える。

 

子育て中の方なら、まずは自分の子どものために学び実践する、わたしのように、子育てを卒業した人なら、子育てをしている親に伝える。「アタッチメント・ペアレンティング」という武器と道具について、そしてその使い方を。0歳から17歳までの子育て、そしてアタッチメント・ペアレンティングの卒業式である18歳までを網羅した、これまでとは違う切り口の講座が出来上がりそうです。

育児セラピストによる子育て支援の次のステージがみえる

すこし抽象的だったかもしれませんが、製作も佳境に入ってきたいま、そんな考えに至っています。それを皆さんにお伝えしたくて、この文章を書きました。

 

この内容は、来年から開校する 大人の学校「アタッチメント・アカデミア」のメインカリキュラムに間違いなく入れることになりそうです。

 

われわれ育児セラピストによる子育て支援の次のステージが見える講座になると思います。結果が見えるのは10年後。気の長い楽しみとなりますので、いまやっているベビーマッサージをはじめとする教室の生徒さんとともに、ゆっくりはじめてください。わたしと一緒に、プライベートな縦断研究をしませんか!

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