オンライン座談会 第二部:「メンズ育児セラピスト」のパパたちと語る、子育てぶっちゃけトーク

シンポジウム参加者のかたから、パパたちへの質問タイム

助産師として、家事育児は、産後直後の女性の体にとって過労死レベルに過酷なことです。それを男性たちにどのようにロジカルに説明したらわかってもらえるのかについて、男性目線のご意見を伺いたいです。

竹安さんは、育児セラピスト1級の講座の中で、「産褥期」の意味を聞いて、腹落ちしたそうです。「産後2か月くらいを産褥期という。その「褥」というのは「ふとん」という意味がある。つまり、ふとんでずっと横になっていなければならないような状態の時期なんだ。」男性は、論理で諭されると納得するので、この説明を聞いて、奥さんを寝かせてあげることを最優先したのだそうです。

男性は、いくら説明されても産後の女性の体の状態を想像しきれません。櫻田さんの場合、「産後の女性の体は、交通事故にあったくらいの状態なんだ」という言葉で、リアルに奥さんの産後の体をイメージできたと言います。そういうわかりやすい例えは、納得しやすいしイメージしやすいです。

佐伯さんは、育児と家事を一手に引き受けた当初、嘔吐してしまうくらい精神的にも肉体的にも疲れ果ててしまったと言います。中学校教師の仕事とくらべても、比べ物にならないくらい大変だった。健康な状態の自分でもそうなのだから、出産を経て体がボロボロで、ホルモンバランスも崩れて精神的にも不安定な産後の女性が、育児と家事をこなすのは、想像するだけでも恐ろしいことだと、経験してみて思ったそうです。こうした男性としてのリアルな体験談をお伝えいただくのも、男性の理解につながるのではないでしょうか。

ふだん、ベビーマッサージ教室をしていて、育児や家事と言った直接的な関わりのほかに、心のサポートが必要なママも多くいます。奥さんが、心のヘルプを必要としているとき、ここにいるパパたちなら、どんなケアをしますか?

竹安さんは、「笑顔カード」をつくって、奥さんに渡して、いつでもつかっていいよ、と伝えているそうです。自分が笑顔になれることなら、どんなことでも使えるカードです。たとえば、ママ友と食事に行きたい、ライブコンサートに行きたい、買い物に行きたい、実家でゆっくりしたい・・・。物理的なカードというのは、よいですね。それによって、「お願い」ではなく「もち札」になるので、奥さんは行使しやすいし、竹安さんも受け入れやすいです。また、枚数が限られているので、自分の切羽詰まり度を考えて使えます。言葉だけで「なにかやりたいことを、やっといで」と言っても、奥さんの中に気兼ねや罪悪感が生じます。カードはそうした心理を生むことなく、お言葉に甘えられると思います。前日のスキルアップ講座のアドラーで言えば「無益なライフスタイルを発動させなくてすむ」のです。

藤岡さんは、しっかり話す時間をつくり、スキンシップをするそうです。その際、無暗に解決策を言うのでなく、徹底的に相手の話を聞く。否定はしない。すると、話しているうちに、心がすっきりして、気持ちも整理されて、自己解決に向かいます。藤岡さんのこのアプローチは、カウンセリングの基本をおさえたとても有効な対応です。天然カウンセラー気質といえるかもしれません。

前田さんは、非日常をプレゼントしているそうです。日常生活のなかでは、どうしても心が煮詰まってしまう要因が、まわりにたくさんある。そのため、近場の旅行をしたりして日常から一時避難する。そうすると、普段はしないような会話にもなって、気分転換できて、気持ちのリセットもできると、奥さんからの評判も上々だそうです。竹安さんの笑顔カードとコンセプトは似ているアプローチですね。小旅行のアレンジメントを前田さんがすべて段取りしているところがミソじゃないかと思います。

オンライン座談会 第二部感想

パパたちの本音や子育てに対するあつい思いを知り、これからの時代の育児というものの何が大切なのかを私なりに感じ取ることができました。(看護師 東京都)

ぶっちゃけトークで面白かったです。オンラインということで、男性陣は自宅のリラックスした空間ということもあり、話しやすかったのでは?と思いました。どう奥さんに気をつかっているのかがわかりました。女性が男性だけのこうした話を聞けるのはオンラインならではだと思いました。(障がい者相談支援員 大阪府)

まさに本音!男女の違いについての理解へのアプローチをどのようにしていくか?私自身、助産師活動のなかで伝えていくポイントを学ばせていただきました。(助産師 福岡県)

パパたちが子育てにとても関心があり、意識も高いことに良い意味で驚かされました。私が子育てをしていたころとの違いも知ることができ、学びも多かったです。おばあちゃん目線ですが、パパさん応援団になりそうです。(英語講師 群馬県) 

パパたち5名のトークが理事長の進行のもと、本音を聞くことができてよかったです。私は月に1回、パパママ対象の交流会を開催しています。今回のようにパパたちが本音をさらっと話せる世代ということで、今後参考にしてママたちへの支援に活かしたいと思います。(助産師 岐阜県)

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