アタッチメント・ベビーマッサージは、 成人を迎えます
アタッチメント・ベビーマッサージがこの世に生まれてから、17年が経ちました。つまり、18歳成人の一歩手前です。これまでの17年は、「未完」の域であり、来年2025年に迎える18歳で完成する、と捉えることができます。
また、仏教における17回忌の「七」という数字は、「六道」つまり“生死を繰り返す六つの迷いの世界”を超えて悟りに至る数字です。
「17」というこの数字の意味を、私なりに解釈してみました。
『アタッチメント・ベビーマッサージにおける完成形にむけて、17年目の今年に、節目を描く』
今年の全国大会スキルアップのテーマです。
「アタッチメント理論」リニューアルの始まりはここから
実を言うと、こんな“こじつけ”をする前から、わたしの中では、今年は原点である「アタッチメント・ベビーマッサージ」を描(えが)きなおそうと考えていました。そう決めて、17年目というこのタイミングの意味を解釈したのが、冒頭の話です。
みなさんもお感じのとおり、この17年を経て「アタッチメント」は、もはや心理学用語という枠を超えて、一般的な言葉になりました。その概念も、多くの人に知られるようになりました。
以前は、専門書でしか見かけませんでしたが、今では育児本や対人関係の本、生き方の本などの一般書籍のなかでも扱われるようになり、「NHKスペシャル」や「すくすく子育て」といった象徴的な番組でも特集が組まれるほどになっています。
他方で、「ベビーマッサージ」にも、同じことが起きています。17年前に、わたしが「アタッチメント・ベビーマッサージ」を提唱した時は、アタッチメントという言葉だけでなく、ベビーマッサージさえも、一部の人しか知らない言葉でした。当時「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、“二つの知らない単語の羅列”でしかなかったのです。それが今では、ベビーマッサージ教室は、全国津々浦々で地区ごとに開かれ、子育て支援と言えばベビーマッサージと言われるようになり、お母さんで知らない人はいない状況です。
“いま”というタイミングだから、アップデートする
こうして前提が変わってきた“いま”だからこそ、アタッチメント・ベビーマッサージを“アップデート”する一番のタイミングだと、わたしは考えました。もちろん、時代がどれだけ変わろうと、アタッチメントの本質は変わることはありません。アーユルヴェーダに基づくベビーマッサージも同じです。
それを了解したうえで、わたしの中で、17年前でなく“いま”だからこそ、伝えたいことがある、その伝え方がある、付け加えたいことがある、丁寧に解説しておきたいことがあるのです。
それは、アタッチメント・ベビーマッサージのカリキュラムだけではありません。一昨年の2022年に、育児セラピスト1級をリニューアルしました。アタッチメント・ベビーマッサージのカリキュラムの半分は、育児セラピスト2級です。育児セラピスト1級の基礎部分である2級も、やはり“アップデート”が必要なのです。
“アタッチメント理論”と“ベビーマッサージ”を結ぶ決定版
当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、子育て支援におけるベビーマッサージのパイオニアであると自負しています。実際に、社会の中でもそのように評価をいただいています。この事実について、資格保持者のみなさんは、自信をもってください。
少し大それたことを言いますが、今回のアップデートをもって、“アタッチメント理論”と“ベビーマッサージ”を結ぶ「ベビーマッサージの決定版」の製作にとりかかろうと思っています。
アタッチメント理論においては、現代の新解釈を取り入れ、さらに愛着障害についてよりつっこんで言及します。発達心理学では、アタッチメントと密接に関係する非認知スキルをはじめとする、アタッチメントを補完する理論を取り入れ、より骨太の内容を盛り込みます。
さらに、ベビーマッサージにおいては、基となるアーユルヴェーダの概要を取り入れ、「なぜアーユルヴェーダのベビーマッサージでなければならないのか?」という観点からベビーマッサージの本質的価値を追います。
またオイルについての加筆修正、アレルギーの扱い方、ベビマ教室の法的根拠について、新コンテンツを追加します。それだけではありません。ここ数年で顕著なニーズの高まりがみられる、「低出生体重児・0か月児へのベビーマッサージ」のコンテンツおよび手技を追加します。
一般に先駆けて、最初にみなさんに公開します
そんなわけで17年目の今年、アップデートした「アタッチメント・ベビーマッサージ」を、一般に先駆けて、まずは、既受講生のみなさんに公開いたします。
まだ、アタッチメント・ベビーマッサージを未受講の方は、ぜひ新カリキュラムで、ベビーマッサージの決定版を学んでください。
すでにアタッチメント・ベビーマッサージ資格をお持ちの方は、再受講で、新カリキュラムを学びなおして、ベビマインストラクターとして、さらなる進化を遂げてください。
ベビーマッサージ教室は、いまや子育て支援の花形となりました。政府も、0歳早期からの母子支援を重視しているため、この流れはますます加速するでしょう。すでにみなさんの地域には、競合も少なからずいることでしょう。
アタッチメントだから価値がある本当のベビーマッサージ
しかし、アタッチメントに基づく、本当のベビーマッサージを指南できるのは、われわれだけです。それが一番の強みです。「愛情豊かな・・・」とか「絆を育む・・・」といった感情にうったえる言葉だけで押し切るのではなく、体系と知識に基づく理論と実践、さらにその背後にある志(こころざし)までも含まれるのが、アタッチメント・ベビーマッサージ教室です。それは、習いに来るお母さんと子どもに必ず伝わります。そうしてみなさんの教室は、やがて自ずと“地域一番の教室” と認知されます。
アタッチメント・ベビーマッサージ教室のある地区は、子どもがよく育つ。
親が子育てを楽しめている。
みなさんが住む地域は、少しずつ時間をかけてそうなっていきます。そういう子育て支援を実現するためのベビーマッサージ・カリキュラムです。
一般社団法人日本アタッチメント育児協会
理事長