初の試み!「メンズ育児セラピスト座談会」 おこないました

子育ての未来を見にいこう!

オンライン講座は、いろんな意味で、あたらしい世界を見せてくれました。今回の話題“メンズ育児セラピストたち”もそうです。コロナ禍の中、昨年(2020年)7月におこなった育児セラピスト1級のオンライン講座は、4名、つづく9月にも3名の男性が受講しました。

いま思えば、潮目が変わった時だったのでしょう。その後、男性の受講生は、毎回数人ずつコンスタントに増え続けています。パパが、自分の子育てのために「育児を学ぶ」時代、仕事と同じくらい(あるいはそれ以上)子育てに熱量が高いパパの時代、まさに時代の変わり目が訪れようとしているのです。

これまでは、マイノリティだったこうした男性たち。“ファーストペンギンの彼らは、「次世代のパパ像」をつくりあげていく人たちです。それがあたりまえになり、そのうち彼らがマイノリティではなくなる日が来ます。そうやって、世の中はいつの間にか変わっていくものです。

『そんな時代の変わり目の真っただ中から、「次の時代の子育て」を一足先にみに行こう!』

そんなノリで、先日(2021年5月27日)おこなったのが「メンズ育児セラピスト座談会」です。パパたちで集まって、ただ話す会ではありません。そのうしろでYouTube 生配信をして、視聴者がいるなかで、「育児のこれから」を語ってもらいました。

自ら参加表明していただくカタチで、参加者を募りました。こういう企画で、自分から手を挙げるのは、ハードルが高いものです。他の人からも観られる企画ですし。せめて、多くの方にとって時間をさきやすいであろう平日の夜に行うことにしました。正直言いますと、5~6人集まってくれれば、御の字かと思っていました。ふたを開けると、11名のメンズ育児セラピストが参加してくれました。さすが、ファーストペンギンたち。

さて、どんな内容だったのか?生配信を観られなかった人のために、簡単にお伝えしたいと思います。

テーマ1:パパの育休の現実

最初のテーマは、「男性の育児休暇」についてです。制度としてはどの会社にも、それらしいものはあることでしょう。その実情やいかに。 男性の育休についてどう思う?まわり(同僚や上司)の反応はいかがなものか?育休をとるのは、ハードルが高いことなのか。妻は何と言っているのか。

そして、実際に育休を取った人には、そもそも、なんで育休をとろうとおもったのか。育休中はどうだった。育休明けの会社の反応は。夫婦で、あるいは子育てになにか変化はあったか。

聞いてみると、みなさんそれぞれ事情は違う。それでも、「育休を取るか取らないか」選択は2つに分かれます。その決め手となるのは、じつは妻の考えが大きいようです。

実際に夫が育児休暇を取った夫は、妻の「仕事を続けてキャリアを育てたい」という思いが背景にありました。そのため、育児・家事も仕事も夫婦ふたりで50:50(フィフティ・フィフティ)という方針になります。

育児休暇を取った夫は、一様に「子育て・家事の大変さがわかった」と言います。それと共に、育児と家事のスキルが上がったことを実感するそうです。また、夫婦間の風通しが良くなったことを指摘する人もいました。その裏返しで、主張のぶつかりも起こるのも現実のようです。

育児休暇を取らない選択をした夫は、妻が「仕事はひととき休止して、子育てに重心を置く」と決めています。妻が子育てや家事を担ってくれている分、夫は、仕事に重心を置きますが、子育てや家事にも積極的です。妻に感謝を言葉にして、できる範囲で家事を手伝い、育児についても妻のサポート役に徹しているスタンスが垣間見えました。

職場の状況についても、発見がありました。育児休暇について、取ったみなさんは、会社も、同僚や上司も好意的だったと言います。この2~3年で状況が変わってきたと実感する、自分のほかにも数名取った人がいる、社内報で取り上げられたなど。そして、育休明けも、みんな好意的で、パタハラみたいな空気はまったくなかったそうです。ただし、直属の上司の考え方によるのも確かだそう。また、コンサルタント業の方は、育休については好意的だけど、会社で子どもの話や子育ての話をする雰囲気はないそうです。

育休を取った人も、取らなかった人も、もともと育児に熱量の高い人たちの集まりなので、このような感じになったのだと思います。次世代の子育て観、夫婦観が垣間見えました。

テーマ2:ワークライフバランス

このテーマで話題となったのは、「50:50問題」でした。これは、視聴者の方からの感想でも、多く触れられていました。

わたし自身20年前に子育てをしていた立場として、この問題には夫婦ともに悩まされました。共働き夫婦の「あるある」でしょう。現実的な話をすれば、年収の差を加味するのかしないのか、時間、労力、すべてを均等にすることなんてできません。つまり「50:50」は存在しません。かならず、どちらかに比重が傾くものです。その傾向として、妻は子どもに、夫は仕事に、となることが多いでしょう。子どもが小学校に入れば、その傾向は強まるのが一般的です。

仕事をやめる決断をした妻は、子育てが落ち着いたら同じキャリアを再開しようと考えているそうです。そもそも仕事をやめる決断の背景には、アナウンサーや先生、看護師、助産師など、職場が変わっても再開できる職種であったことは大きかったでしょう。 いっぽうで、共働きの決断をした妻は、会社員としてのキャリアを切ってしまうと、同じキャリアの再開はむずかしい現状も背景にあると思います。

いずれにしても、自分の仕事、相手の仕事、子どもの成長や発達ステージ、家族の状況、さらに自分の優先順位、相手の優先順位を考え併せて、比重を変化させる必要があります。「70:30」なのか「60:40」なのか「20:80」なのか・・・無限です。

ワークライフバランスは、お互いの「覚悟のすり合わせ」の賜物です。育児や家事を妻と同じだけ背負おうという夫の覚悟、夫と同じようにフルタイムの稼ぎ手として働き続ける妻の覚悟。一家の家計を自分が背負う夫の覚悟、子育てと家事を背負う妻の覚悟。それらをすり合わせ、相手の覚悟をリスペクトすることが、ワークライフバランスだと思います。

今回集まってくれた11人の夫婦のワークライフバランスは、すべて違います。次の時代では、女性の仕事は、ますます重要度が増していくことでしょう。そうなると大きな要素となるのは、妻がどういう選択をするかです。夫婦の組み合わせによって、今よりももっと多様な「夫婦のあり方」が生まれていくはずです。

自由テーマ:夫婦のコミュニケーション

これからのこととか、教育のこととか、夫婦でじっくり話す時間をもちたいけど、まとまった時間が取れない。普段は、妻が子どもの寝かしつけをしながら寝てしまう。起こすのもなんだし。朝は、保育園に送っていくので、自分が忙しい。

「みなさん、夫婦の時間をどうやって確保していますか?」

この問いかけには、参加者の男性みんなが、「あるある」とうなずきました。食事の時とか、細切れの時間に会話をするけど、実際には連絡事項や状況報告で終わってしまう。どこもそんな感じでした。

「子どもを寝かしつけたあとの時間は、大切な夫婦の時間です。その優先順位を高く保つことは、夫婦円満の秘訣です。」

これについて、わたしから提案をしました。そうはいっても、寝ている妻を起こすのは、気がきけます。それでも、起こしましょう。そういうときは、夫婦がそろって好きなものをネタに起こすという技があります。

夫婦でお酒が好きなら、いつもよりも少し高いお酒を開ける。スイーツが好きなら、いつもより少し高級なスイーツを買って帰る。

「シャンパン開けたから、一緒に飲まない?」

「スイーツ買ってきたから、一緒に食べない?」

これなら、寝ているところを起こしても、気は引けませんよね。妻もよろこんでくれるはず。大事なのは、夫婦二人が好きなものを選ぶ。どうしても見つからなければ、妻の好きなものに合わせる。今回集まったのは夫たちなので、こうなりますが、もちろん、これは妻の側からいえば、逆になります。

そのくらいの努力をしてでも、夫婦で時間をとって、話し合うことは重要です。話題は、山ほどあるはずです。子どもの成長、子育て方針、教育、習い事、仕事のこと、将来のこと・・・

これらを常にすり合わせておくことは、夫婦円満の秘訣です。次世代の夫婦は、こういうコミュニケーションに優先順位を重く置くのがスタンダードになるはずです。

これは、続ける必要があります

こんな感じで、話は大いに盛り上がり、1時間の予定が延長して1時間30分になりましたが、まだまだ話し足りない雰囲気で終了しました。このときすでに、ある種の一体感が生まれていました。仲間とか、同志というような。

「ぜひ第2回を!」というお声は、参加者からも、視聴者の方たちからも、共通していました。

これは、やらねばなりませんね。

じつは、このあと、別れがたい雰囲気の中、それぞれお酒をもってきて懇親会を行いました。オンライン飲み会です。23:45、日をまたぐ寸前まで話は盛り上がりました。

今回参加できなかったみなさん。ぜひ次回はご一緒しましょう。
ようこそ!メンズ育児セラピストの会へ!
そして、今回視聴されなかった方は、ぜひ次回はご覧ください。価値は保証します。

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