脳科学でひも解くマインドフルネス

今回は、「子育てマインドフルネス」を受講された澤田さんから、受講後にいただいた質問と、それに対するわたしの回答をご紹介しようと思います。
この講座をすでに受講された方には、講座の内容をさらに補完し、理解を深めるものになると思います。また、受講されていない方にとっては、「脳科学」というマインドフルネスのもう一つの側面を垣間見るきっかけになると思っています。

Q.

お世話になっております。子育てマインドフルネスを受講させていただきました。本日は質問があってメールさせて頂きます。

マインドフルネスを行なうと前頭葉の海馬や扁桃体に効果が現れて感情コントロールできるようになるということは良くわかりなるほど、と思いました。
そして生まれたばかりの赤ちゃんも今だけを生きていてマインドフルな状態であることもわかったのですが、
イヤイヤ期の子ども達は前頭葉の発達段階で抑制が効かない状態であると思うのですが、そうなると赤ちゃんも脳の感情を司る部分は発達してないですが、なぜマインドフルネスと言えるのかわからなくなってしまいました。
2歳の子供もイヤイヤ期であって感情のコントロールは出来ないですが、遊びに集中したり、過去に押しつぶされることや未来への不安は大人よりも少なく、マインドフルネス状態にはいると思います。
イヤイヤ期はマインドフルネスだとどう取り扱われるのでしょうか?赤ちゃんはマインドフルネスのお手本であっても前頭葉的には感情コントロール出来る部分は発達してないという解釈で良いのでしょうか?

A.

脳科学をとても、深くまで考えられたよい質問をありがとうございます。このレベルで、マインドフルネスを語れるのは、とてもすごいことだと思います。

それを踏まえてまずは、前提論を押さえましょう。

マインドフルネスは、「感情をコントロールすること」とイコールではありません。むしろ、逆の営みです。結果として、感情が鎮まるわけですが、コントロー ルするわけではありません。
前頭葉で感情をコントロールしていたら、マインドフルネスではありません。

このように考えてみてください。

大人=
理性で感情をコントロールする前頭葉が発達している。しかし、前頭葉で感情をコントロールするのは、むずかしく、ストレスフルであり、大きなエネル ギーを要します。
マインドフルネスは、前頭葉(つまり理性)のチカラを借りずに、感情を司る偏桃体の活動を鎮めることができる。それは、思考ではなく「いまここ」を見つめること。そのためにヨガや瞑想を行います。

瞑想する大人

子ども=
理性で感情をコントロールする前頭葉が発達していない。そもそも感情を自由に表現し、過去の後悔や、未来への不安がない(そこまで発達していないとも言えます)。
つねに自然体で「いまここ」を生きている。その完全体が赤ちゃんです。

澤田さんがおっしゃるように、赤ちゃんやイヤイヤ期の子どもは、前頭葉が発達 段階にあるので、感情をコントロールすることができません。その分「いまここ」 の世界しかありません。だからこそ、子どもは、素の状態で「マインドフル」な のです。

赤ちゃん

われわれ大人は、前頭葉が発達したことによって、理性と複雑な思考をみにつけましたが、その分「マインドフル」状態を犠牲にして生活しています。
だからこそ、意識的に生活の中にヨガや瞑想を取り入れて、前頭葉優位の脳と心をやすませることが重要なのです。これを、マインドフルネスと言います。

そうすると本来、子ども(少なくとも赤ちゃんや幼児)には、マインドフルネスは必要ないとも言えます。

(もっとも、最近は、子どももさまざまなストレスにさらされていますので、一概には言えませんが。)

「子育てマインドフルネス」についてくわしくは、こちら >>

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