第8回育児セラピスト全国大会2017東京会場「10年の時を経て」

第8回育児セラピスト全国大会2017東京

目次

全国大会スキルアップ講座
『アタッチメント発達支援アドバイザー』

「アタッチメント発達支援0期に確かな手ごたえ」

2017年の全国大会のスキルアップ講座として「アタッチメント発達支援アドバイザー講座」の0期を開催しました。台風が近づく悪天候の中、一人の欠席者もなく、全員そろって開催することができました。

今回の受講生は、北は北海道、南は沖縄と、まさに日本全国からお越しいただき、いつにも増して多岐にわたっておりました。保育士さん、看護師さんはもちろん、まさに発達障害児の支援に携わる発達支援センターの職員や、幼児教室の先生、地方自治体の福祉職、児童館の職員、乳児院の施設長、子育て支援センター職員、保育ママから子育て中のママまで、本当にいろんな方たちがそろい、東京会場で47名、大阪会場は25名での講座となりました。

アタッチメント発達支援アドバイザー

発達支援の現場の方の声

発達障害児の支援をする発達支援センターの職員の方は、お二人とも、療育施設とは別に、発達支援センターが新しく設置されることとなり、日々手探りで運営している中で、発達支援に関するきちんとした知識を学び、また子どもの発達を支援するための方法論を学ぶ目的で来られていました。現場の職員の方の実感として、「様々な研修を受けるが、親に対しても、子どもに対しても、いまいち何をしてあげたら良いのかがわからない。」というのが本音のようです。

子育て支援の現場の声

また、「発達グレーゾーンの子が増えている中で、日常の保育や看護の中で、何かやってあげられることはないのか」という思いで来られている方も非常に多かったように思います。また、あるグレーゾーンの子の問題行動が、地域や保護者の中で問題視されているケースも聞かれました。親が発達障害とは思っていない状態で、そうした子どもの問題行動に、どう対処していけば良いのか、というのは確かにデリケートな問題です。

こうした動機のもとにご受講いただいた今回の発達支援アドバイザー講座ですが、登壇した私としては、「健常児もグレーゾーンの子も、発達障害児も、子育て支援の中で、子どもたちの発達を支援し、良い方向に導いてあげることが出来る、そのための知識をスキルと方法論を持ち帰っていただけた」という確かな実感を得ることが出来た今回の0期だったと感じています。

アタッチメント発達支援アドバイザー

理論編と実践編からなる発達支援の現場で使える内容

内容的な話をしますと、まず、『理論編』として、発達支援におけるアタッチメントの可能性について学びます。その上で、知っているようで知らない、わかっているようでわかってない「発達障害」について、わかりやすく学び、さらに、その特徴なども学んでいきます。また、発達障害の診断まで行かない「発達グレーゾーン」や「発達が気にかかる子」についても学びます。そして、そうした子どもの親に対して、どのようなサポートが出来て、どのような声掛けや説明ができるか、あるいは、そうした不安を抱えた親への対人援助法なども学びます。さらに、発達障害のメカニズムを作業療法の立場から説く「感覚統合理論」についても学び、「発達支援の方向性」を学びます。ここまでが理論編です。

次に『実践編』として、「アタッチメント・トリートメント」として、発達支援のための具体的なメソッドや営みを学びます。ここでのテーマは、持って生まれた資質に関係なく、後天的スキルとして、社会で生きるために必要なスキルを身に付けることです。そのためのスキルとして「衝動制御スキル」「語用スキル」「同時総合スキル」に分類し、それぞれのスキルを養うためのメソッドと営みを紹介します。この3スキルは、自閉症ウィングの三つ組へのアプローチとしても対応しています。

子どもに対してしてあげられることを学び、その親への対応を学び、子育て支援の新たな可能性を拓く講座

アタッチメント発達支援アドバイザー

今回は、これだけの内容を1日で走りましたから、受講生の方々は相当に疲れていらっしゃいましたが、受講後のアンケートを拝見すると、今までぼんやりとしていた発達障害の知識や発達支援について、しっかりと親御さんに対応できるだけの理解を得ていただけたようですし、確かな支援の方向性とその方法論も見ていただけたようです。子育て支援の中で、「ますます増えるグレーゾーンの子に対して、何か出来ることがあるのではないか」という思いと、「そうした子どもの親御さんにどう接っすればよいのか」という不安に対する確かな答えを持っていただけたと思っています。

今回の「アタッチメント発達支援」の考え方や方法論は、これからの「子育て支援」において、非常に大きな可能性を拓くものであることが、現場の方々の反応を通して、確かに実感することが出来ました。育児セラピストとして、子育て支援に携わる方々には、ぜひ受講しておいていただきたい講座だと、改めて感じております。

一般社団法人日本アタッチメント育児協会
代表理事 廣島 大三

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