赤ちゃんが生まれるとお母さんの生活は一変します。
自分のための時間はほとんどなくなってしまい、赤ちゃんのお世話をして、おっぱいをあげて、オムツを替える日々が毎日続きます。
赤ちゃんの夜泣きで、夜もぐっすり眠れません。それほどに子育ては大変なものなのです。時には、自分が子育てマシーンのように感じられることもあるでしょう。最近では、育児ストレスなどという言葉があるくらいです。
最悪のケースでは、ネグレクトや幼児虐待などに発展して、社会問題となっています。
こうしたことは、誰にでも起こりうることかもしれません。
しかし、一方では、「この子が生まれてきたことに心から感謝しています」とか、「この子の寝顔を見ているだけで、一日の疲れがふっとんじゃいます」という思いに至るパパやママもいますね。この違いは、一体なんなのでしょうか?
そのカギを握っているのが「アタッチメント(愛着関係)」なのです。
この「アタッチメント」は、発達心理学の世界で、ボールビーという心理学者が、最初に提唱しました。そして、最近では、脳科学の世界でも、この「アタッチメント」が、赤ちゃんの脳の発達に及ぼす影響が、注目を集めています。
心理学の世界では、アタッチメントがきちんと育っていない子どものことを、「心の育っていない子」という表現をします。そうした子どもは、多くの場合、成長の過程で問題を抱えることになります。そして、多くのケースで、それは、思春期になってから、問題行動となって現れます。
一方で、親子間に、深いアタッチメントが、育っていれば、子育ては、何ものにも変えがたい、喜びと幸せの営みとなります。アタッチメントによってもたらされるこうした作用は、単なる感情論などではなくて、学術的根拠に基づくものなんです。
例えば、医学の世界では、ママが赤ちゃんのお世話をする際の様々なふれあいや接触によって分泌されるホルモンによって、お母さんの心が安定して癒されることが分かってきています。プロラクチンというこのホルモンは、別名「愛情ホルモン」といわれています。また、発達心理学の世界では、生後1年間の時期に、絶対的に受け入れられた経験によって築かれた「基本的信頼関係」が、その後の赤ちゃんの心の成長の上で重要とされています。
医学と心理学で表現方法やアプローチは違いますが、どちらもアタッチメントを育てる行為によって、もたらされる結果といえます
では深いアタッチメントはどうしたらつくれるのでしょうか?
実は、特別なことをするわけではないのです。毎日の育児の中で赤ちゃんと一緒に、楽しみながら行う営みによって、アタッチメントは、形成されます。例えば、赤ちゃんにおっぱいをあげたり、抱っこをしたり、添い寝をしたり、赤ちゃんのお世話をすることも、アタッチメントを育ててくれます。
でも、それらを、ただやっているだけでは、先ほど申し上げたように、育児ストレスになってしまうこともあります。大事なのは、それらの営みによって「赤ちゃんとつながることができる」と思えることと、その心の余裕を持つための環境を整えた上で、これらの営みを行うことです。
そうした「アタッチメントを形成する様々な営み」の中から、特に重要で効果的な5つのメソッドを抽出して、さらに、メソッドと共にアタッチメントを育てる環境づくりや夫婦関係などを含めて体系化したのが「トータル・アタッチメント・ケア」です。
トータル・アタッチメント・ケアは、ママとパパが、積極的に赤ちゃんとのアタッチメントを育てて、子育てを楽しみ、赤ちゃんの誕生を心から喜ぶためのプログラムです。そして、そのどれもが、毎日の子育ての中で、簡単に、楽しく続けられます。










